先日、現金なタクシー運転手さんのことを書いたのですが、その中に
運転手さんが喜んで
「マカシ、パッ! マカシ、パッ! マカシ! マカシ!」
「ありがとうございます! ありがとうございます! ありがとう! ありがとう!」と言いました、
というくだりがあったんですね、
でもまぁ、これは実際には直訳ではないと申しますか、
昔、ベストセラーの海外小説で謳われていた言い方を借りますと「超訳」といいますか、
雰囲気を日本語に直すとこんな感じかしら、というものだったのですが(その時の記事はこちら)、
お読み頂いた方から質問等もございましたので、
今日は「Terima kasih」、そうです、インドネシア語の「ありがとう」についてお話ししたいと思います。
Terima kasih …… この発音を、近いカタカナで書くと「トゥリマカシ」となります。
しかし、よく「インドネシア語の発音は簡単でローマ字読み通りでOK」
なんて書かれていることもあるため「テリマカシ」や、
私の母親なんかはどこでどうなったのか「テレマカシ」なんていうのですが、
ここでは実際の発音に近い「トゥリマカシ」としておきましょう。
この、インドネシア語の「ありがとう」、「トゥリマカシ」はもちろん非常によく使う言葉なのですが、
日本でも「ありがとう」や「ありがとうございます」や、
日本語ではありませんが、軽く「サンキュー」といったりするように
いろいろなバリエーションがあります。
どこの言語でも略語というのはあると思うのですが、それが「マカシ」。
はい、「トゥリマカシ」の「マカシ」です。
「ありがとう」という「トゥリマカシ」が略されたものですから、
やっぱり軽く「ありがとう」という時に使います。
で、さきほどの「マカシ、パッ」で、ちょっと丁寧な「ありがとうございます」と訳したわけですが、
「パッ」という言葉をつければなんでも丁寧語になるのかと言えばそうではなく、
この「パッ」というのは呼びかけの言葉なんですね。これは男性に対して使う言葉です。
女性なら「ブ」、ちょっとのばし気味に「ブー」と言います。
女性に対して「ブー」なんて と思うのですが、大丈夫です、ご安心を
この呼びかけの言葉もちょっと若いお兄ちゃんなら「マス」、お姉さんなら「ンバッ」と変わりますし、
バリ語としては他の呼び方があるようなのですが、
バリといっても今や他の島からもたくさん働きにきていますので、
とりあえず「パッ」「ブ」「マス」「ンバッ」でバリでも通用します。
ちなみに、インドネシア語というのはインドネシア全国共通の言語ですが
インドネシア人は地方、地方それぞれで言葉、民族の言語というものも持っています。
これは何百と存在する民族ごとに異なりますので、
インドネシア人は自分の民族の言語とインドネシア語、2つを話すということになります。
それぞれの民族の言語は日本でいう方言のようなものではなく、語彙もつくりも全く違う言語で、
インドネシア人でも他の言語は話していてもわからないようです。
基本的に普段は民族語を話すそうで、バリでも家の中やバリ人同士はバリ語で話します。
……と、話はちょっと横道にそれましたが、そうそう「マカシ、パッ」ですね、
「マカシ」だけでなく呼びかけの「パッ」をつけることでずいぶん印象は変わり、丁寧な感じになります。
他にも、丁寧になるというわけではありませんが「マカシ、ヤ」と言ったりもします。
「ヤ」というのは、「はい」「いいえ」に対するインドネシア語の「Ya(はい)」なのですが、
んん~、「ありがとね」ってな感じでしょうかね~。
私はやわらかく、優しい印象に思えます。
そして、しっかり丁寧に言いたい時は「トゥリマカシ バニャッ」。
この「バニャッ」は「多い」という意味ですがこれをつけると
単なる「ありがとう」ではなく、「どうもありがとうございます」という感じでしょうか。
そういえば昔、昔、初めてバリ島に行った時のこと……
まだインドネシア語を習ってもいず、簡単な単語2,3コだけを覚えていっただけの時のことなのですが、
ホテルのレストランで注文したものを持ってきてくれたウェイターさんに
「トゥリマカシ~」と言いましたら「トゥリマカシバニャッ(と言うんだ)」と怒られちゃったことがありました
「ありがとう」と言った外国人に「ありがとうございますっ(だ)」 って……
フツー、お客さんに言いますぅ~? おもしろいでしょ~
でもただ単に、お客さんに向かって
「トゥリマカシバニャッと言え」とは言わないと思ったので少し考えてみましたら、
インドネシアって目上の人に丁寧に接するというのもとても大事にするのですね、
だから「そういう風にいうものなんだよ」と私より年配のウェイターさんは教えてくれたんだと思いました。
「ふぇ~、怒られちゃったよ~」とその時はビックリしたものですが
おかげで私はインドネシア語を話す時、特に目上の方と話す時などは、
丁寧に話すよう心掛けるようになりました。
あの時のウェイターさん、ありがとう……いえ、トゥリマカシバニャッ でございます
ですから、そうですね……「ありがとう」というべき場面で
「トゥリマカシ バニャッ パッ」(男性に) 「トゥリマカシ バニャッ ブ」(女性に)
と言えれば百点満点じゃないでしょうか
それでは、このよく使う「トゥリマカシ」だけでも日本的な発音ではなく、
きれいに聞こえるように発音してみようではありませんか……
……と思ったのですが、ちょっと長くなりそうですのでまた次回、ということに……
というわけで、それではみなさまごきげんよう
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